追記(社員の声)

偶然見た某サイトの書き込みで、三菱自動車の社風に関してかなり的を射た記述を2つ見つけた。読んでいて思わず笑ってしまうくらい、三菱自動車らしさが上手く表現されている。どちらも他社からの転職社員の書き込みだが、これを読めばきっとこのサイトで書かれてあるメリット・デメリットが誇張ではないと分かるだろう。


(Aさん:本社部門)
体質の古いお役所的な昭和の大企業。チャレンジして失敗するくらいなら、余計なことはしない方が良いという空気がある。上から言われたことを言われた通りにやる文化が強く、上がおかしな事を言っていてもそれに意見するような事は基本的にない。また、結果より過程を重視する傾向が強く社内稟議の文書作成に莫大な労力を費やし、当たり障りのない文書を作成し、様々な部署の人間のハンコをペタペタと押して上層部の決済を受けた時点で仕事をやり遂げた感覚になってしまっている。各部署に社内稟議作りの名人みたいな人がいてそのような人の作成する「突っ込みどころ」を極限まで排除した文書に様々な部署の人間がハンコを押した結果、結局のところ誰が発案して誰が責任を取るのかといった点があいまいになっている(プロジェクト終盤になるといろんな部署を巻き込む責任分散行動が行われ、悪いのは自分だけではないというアリバイ作りが熱心に行われる。そしてそのような責任回避のうまい人は生き残る)。従業員も言われた事だけをやって定時退社してほどほどの給料をもらえば良いというタイプの人が多く、人のレベルは総じて高くない。


中途採用者には他業種で実績のある人、難関資格保持者や帰国子女・海外勤務経験者といったスペックの高い人間がそれなりにいるが、現業を回す事に意識が偏っている結果、その人たちに見合わない仕事をやらせ続け、モチベーションを削いでいるように思われる。会社の事を知るためにそのような仕事をやらせる事自体は間違いではないと思うが、結果的に何年も同じような事をやらせてせっかくの人材に逃げられてしまう事態が散見される(基本的に従業員のキャリアアップという感覚がない)。ただ、結局の所この会社は三菱商事と三菱重工の植民地であり、若手~中堅社員にはある種の「あきらめ感」がある。


給与制度の特徴はとにかく従業員にお金を払いたくないという意識をそこかしこに感じる。手当はほぼないと考えた方がよい。給与もはっきり言って低い。ある程度残業してようやく年齢相応の給料になる感じである。しかし、残業規制という事で残業がある程度になると半強制的にフレックスタイムを使わされて残業時間を削られてしまう。ただ、そうしないと多くの従業員が一斉にダラダラと仕事をして会社を食い物にしてしまうようにも思われるので会社の方針にも一理あるような気もする。忙しい人間と暇な人間にくっきりと分かれており、人手不足なのか人余りなのかよくわからない会社である。ただ、何割かの人間は大した仕事もしておらず毎日定時帰りで有給も100%消化で会社にただ乗りしている感が否めない。


製造業という事でコストは悪という感覚が本能のように身についており、給料に対する考え方もできれば払いたくないという空気が見て取れる。評価を上げると給料も上がるため、空いているポスト数と払える給料の額の総額から逆算して個々人の評価が決まってくるところがある。ただ、それ以前にこの会社は三菱商事と三菱重工の植民地であり、重要なポストはほぼこの2社で占められており、自動車の人間は優秀でもある程度の所で出世は止まる。そのため、全体的なモチベーションは低く、お金のためとある程度割り切りながら働いている人間が多い。


女性にとっては働きやすい環境である。多くの女性にとっては残業も少なく、休みも取れるのでその点については良い会社である。ただ、各部署に最低1人は職場のヌシのようにマイルールを周囲の人間に押し付け、思い通りにならないとヒステリックに騒いだり、気にいらない新入りをいびってやめさせたりしている。その手の人は異動させたくても受け入れ先が嫌がるため結果ずっと同じ部署に居続け、同じ仕事をやり続けているため一見仕事ができそうに錯覚するが、大抵は能力が低く新しい事に対応できない。そして、自分の無能さを隠すために周りを威嚇して自分の落ち度を指摘させない空気を部全体にまき散らしている。全体的におとなしい社風であるため、管理職もその手の人には指導できず結果野放しになり会社の雰囲気を悪くしている。


ライフワークバランスは良い会社だと思う。基本的に残業はさせず、有給もしっかり消化させられる。そのためほどほどに働いてほどほどのお金をもらいたい人には天国であると思う。ただ、一部の人間に負荷が集中しておりそのような人には残業規制が重くのしかかっている。


組織の作りが雑なため、優秀な人間にはさまざまなタイプの仕事が集まる傾向があり、普通の会社に比べると経験できる仕事の幅は広いと思う(大手の同様のポジションだと仕事は限定され、組織の歯車感が強いようである)。また、再建中の会社という事で通常の会社ではあまりないような業務に関わる機会も得られる。加えて、新しい事については手を挙げれば大抵の事はやらせてくれるところがある(人の層が薄いという事もあるが)。そのため、組織をうまく活用すれば多くの経験を積むことができる。この点についてはすごく良い会社であると思う。


組織全体に耐えられない閉塞感が漂う。おそらく、言われた事だけを言われた通りにやり、残業をせず定時に帰り、同じ仕事をずっと続けてほどほどのお金を定年までもらい続けたい人にとってはこの会社は天国であると思う。一方で、新たな価値を創造したい、仕事を通じて自己実現したいといったチャレンジ精神を持った人間は入社数年で物足りなさを感じると思う。


「ユーザーが欲しがる商品」が売れる商品なのであり、決して「品質・性能が良い商品」だから売れるというわけではない。企業としてユーザーに支持される売れる商品を作っていくのが大事であり、「品質・技術を追求する」という美名のもとにユーザーの望まない商品を作るのは独りよがりの自己満足であり、ユーザーの事を考えていないと思う。品質と技術は自動車会社として達成して当然の事であり、必要以上に強調するようなものではない。自社製品の商品力(魅力)のなさを「その代り技術力では負けていない」と言ってフォローしようとするのは見苦しい。下位メーカーが大手に対抗でき、かつ効果も大きいのはデザインであるのでもっとデザインに力を入れ、ユーザーが欲しがる商品を提供していかなければこの会社に未来はないと思う。


(Bさん:海外営業部)
三菱商事や三菱重工との強い資本関係がある為、2社からの出向者が非常に多いです。プロジェクト推進や大型案件の推進については、三菱自動車の社員が中心に進めるのではなく、出向者が中心で進めるケースが多々散見されました。指示待ちで仕事を進めるタイプや年功序列を気にせず、じっくり人生の中で時間をかけて業界のノウハウを学んでいきたい方にはお勧めの企業ではないでしょうか。コンサルタントの様な仕事の進め方をするタイプや自ら率先して大きな仕事を進めていけるリーダー型の人間には個人的にですが、あまりお勧めできません。また、組織体制としても50代以上の社員が多くいる為、若手に重要な仕事をするチャンスがなかなか回ってこないなど、組織体制を一新する事が急務だと感じました。


女性社員に対してのダイバーシティもまだまだ発展途上の状態ですが、育児休暇の取得や長時間残業があまりない為(部署によりますが殆どの部署では残業が1時間ほどしかありません。)、女性にとっても働きやすい会社であると思います。若手に関しては育ちが良い社員が多かった事、年配の社員に関してはのんびりした性格の社員が多かった事から考えると、仕事に対するプロ意識や物事を深く考えるといった事が少しおろそかになっていると思いました。中途入社の社員の殆どが同じ意見を話していました。


海外部門の離職率は高いのが現状です。理由としては、働きやすく、非常に良い会社ではあるけれども、自らの仕事に対する能力を高めるという部分では将来に不安があるといった事が意見として上がっていました。

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