三菱自工の年収の特徴は、概して一時金(ボーナス)の占める割合が高いこと。最近は業績も好調なのでボーナスは5ヶ月程が支給されているが、一昔前はせいぜい4ヶ月程度の賞与であった。また、不祥事が発生する度に、給与カットが行われきた歴史もある。大卒で入社して、順調に出世した場合の役職別・年齢の大雑把なモデルは下記の通り。
・三菱自動車の年齢別・役職別年収モデル
- 平社員:400万円(25歳)
- 主 任:500万円(30歳)
- 係 長:600万円(35歳)
- 課 長:700万円(40歳)
- 次 長:800万円(45歳)
- 部 長:1000万円(50歳)
- 本部長:1200万円~(50歳~)
さて、まだ社会人経験のない大学生がこの年収モデルを見ても高いのか安いのか分からないと思うが、これは、年間売上高1000億円程度の中堅メーカーと同じくらいの水準である。初任給は同じような金額基準でスタートするが、年を重ねるごとに三菱御三家(三菱商事、三菱東京UFJ銀行、三菱重工)や自動車大手(トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車)の平均には遥か及ばないレベルになっていく。定年まで勤め上げた場合の生涯賃金の差は言わずもがな、である。なお、実質的な親会社である三菱重工は、課長職で年収1000万円を超える。三菱商事と三菱東京UFJ銀行に関しては、課長職にならなくても年収1000万円を超える。
更にガッカリさせるのが、年収1000万円を超えてくる本部長~役員クラスは、その大半が前述の三菱御三家からの出向者が座るという現実であろう。三菱自動車に新卒で入社して年収1000万円に到達できる社員は、1割にも満たないのではないだろうか。かといって、役員報酬が高いわけでもなく、全役員の報酬を足しても、ルノーと日産自動車の代表を務めるカルロス・ゴーン氏の年俸を下回る。
・三菱自動車の福利厚生
福利厚生としては、まず独身寮があるが、関東勤務(主に本社田町)の場合に用意されている中山寮(神奈川県横浜市)と湘南寮(神奈川県茅ヶ崎市)はどちらも古き昭和を感じさせる寮である。結婚した社員が入居できる社宅も同様にボロくて狭い。特徴的な制度としては、カフェテリアプランと呼ばれる選択型福利厚生制度があり、会社が提供する福利厚生メニューの中から持ち点(金額)の範囲内で社員は自由に選ぶことができる。その他は、三菱自動車購入社員割引制度があるくらいで、特段良いものはない。なお、三菱重工で働く友人の独身寮に遊びに行ったことがあるが、かなりキレイなマンションで、その格差に落胆させられたことは記憶に新しい。
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